愛してる
ドトールにてコーヒーを飲んでいた。
僕を挟むように女の子の塊が二つ
どちらも三人ずつ。
積を求めれば早いけど僕は丁寧におっぱいの数を数えた。全部で12個あった。
12個の丸い肌色をした塊の頂点に対となり各種それぞれの色素を使ってほんの少しずつ、いや極端に違うものもあるがそれぞれ赤を彩っている。
その小さな山を12個綺麗にテーブルの上に並べてみた
ちょうどコーヒーは時間経過によってグラスの外側に水滴を充分に貯めていたので僕はソレを指ですくい取り一つずつお山の頂上に水分をあげた。
まったく反応しない山もあれば微かに動く山や、艶っぽく声をあげる山もありそのわずかな違いを両耳に付けたイヤホンからじっくりと聞き分けた。
優しく遊んだ後には少し乱暴にしてみたくなるものだ。水を流して川まで作った砂の山を最後はめちゃくちゃに壊したくなるだろう、あれと同じだ。
デコピンはデコにしなくてもデコピンと呼ばれる奇妙な技だ。
片手でするよりもう片方の中指で引っ掛けを作ってあげるほうが威力は増す
中指に力を溜めて溜めて山頂に向けて一気に弾いた
それと同時にイヤホンから大きな声が上がったので僕はびっくりして少しマスターボリュームを下げた。
少しドキドキしたからコーヒーを一口飲んで胸を落ち着かせた。
そしてまた同じように指に力をこめて臨戦体制をつくる。
こういう溜めのある攻撃は溜めてる途中に威力が予想できる、今回のデコピンの構えはすごい。完璧だ。
一番大物であろう頂上の実に焦点を当てて渾身の力で弾いた。
やっぱり耳元からはすごい声が聞こえたけどボリュームを下げたので今度は音量的には問題ない
あ、飛んで行っちゃった。
今弾いたばかりの山の上にはなにもなくなっていて溶岩みたいにゆっくり血が流れていた
イヤホンからはあんまり聞いてて良い気持ちじゃない声が断続的に流れてきていた
ああ、ごめん。ごめんね、本当にごめん。泣きたくなるからもうその声をやめてよ謝るから。本当にごめんなさい。
たくさん謝った。謝るけど吹っ飛んでいったソレを拾いに行くことはしない。ドトールでそんなことしたら恥ずかしいから
やり過ぎた遊びをした後は少しおとなしくしたくなる、授業中に盛り上がって先生に怒られると途端に恥ずかしくなってソレを隠すために周りを見渡し口角を上げ精一杯抵抗する
そうだ紙を被せて神経衰弱みたいな遊びをしよう!これなら痛くないね
紙ナプキンを取りに行くために席を立とうとしたら左の女の子達のテーブルの上で、身長5センチ位の僕がバカみたいに両手を上げて踊っていた。彼女達は小さい僕の踊りを見てゲラゲラ笑っていた。
止まったら殺されるのかな。テーブルの上の僕は満面の笑みで涙をダラダラ流しながら踊っていた
心配になって右のテーブルを見てすぐに後悔した。
そこにはコーヒーグラスの中に完全に自分の力では動けなくなった僕がプカプカ浮いていた。
グラスの持ち主はもう僕のことなんか気にしてない様子でコーヒーと共に僕をストローでかき回しながらお喋りに夢中になってた
そうだ僕達は獣だ。
理性があるふりをしながら子作りが目的の行為を本来の目的を潰し「愛だから」って言い訳までして幸楽するような
動物の内蔵を生で喜んで食べるような理性のある人間だろ
火を使えるようになったら少しは文明に近付けるだろうか。少しは人間みたいになれるだろうか。
店員さんに頼んで大きなグラスをもらって12個の山を目一杯詰めてジッポのオイルをタプタプまで注いで最後に僕の唾液をいれてあげた。
タバコを吸うためにマッチを擦って火をつけた。先端をジリジリと燃やして肺胞全てに行き渡るように大きく吸い込む。
役目を終えたマッチをグラスに放り込んでタバコを咥えたまま席を立つ
耳元からは地獄からの声がずーっと聞こえていた
そのメロディに裏打ちのビートを刻んでダンスナンバーにすれば少しはテーブルの上の僕も楽しく踊れるんじゃないだろうか。
さっき飛んで行った赤いアレを見つけたので口に放り込み奥歯で思いっきり噛んだら。生の獣はやっぱり血の味が強かった。
human fake