妄想シネマ

妄想都市計画

あばずれリミッター

 

 

 

 

朝はひどく冷えていた。

車のフロントガラスにこびりついた霜を、興味本位で擦ってみた。

それは一晩で出来たにはあまりにも硬く、興味本位程度の力ではガラス部分まで到達できなかった。

自転車にまたがり通勤路を進む。

しばらくすると尻がぼんやりと冷えてきた。

冷気を感知した頃にはもう手遅れだ

 


(なんでだ。もうパンツまで水が染みてきている。雨は降ってない。サドルにも霜が?ゴムに霜って降りる?ああ、尻が寒い。サドル破けてんのかな、そもそもこの硬いサドルの中身はスポンジなのか。吸水性はどれほどか。尻の穴が冷えて死ぬみたいな話なかったけ。無いか。ヘイSiri尻が冷えたぜ、つってね)

 


会社に着いた。

冷え切った尻を触りながら思う。人を傷つけずに生きる方法も、それはそれで残酷じゃなかろうかと。