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妄想都市計画

拝啓 暖かい11月下旬より 序章

お元気でしょうか。暦通りに防寒対策をしても、一向に寒くならないので、冬物を持て余してはいないでしょうか。それとも季節に合わせて服を変えることすら煩わしく、四季の流れすら、あなたを置いていくような気持ちになっていませんか。そんな時は湯豆腐を食べてみてください。ポン酢で食べると美味しいですよ。
手前ごとにはなりますが、25歳にして、本格的になにと戦っているか分からなくなってきました。

もしかしたらなにとも戦っていないのかもしれません。

しかし私は日々の中で、間違いなく苦しみ、もがき、たまにお湯の温度を間違えて大惨事になったりするのです。

この苦悩が周囲からの影響で無いとすると、生きる事自体が苦しいことである。そういった結論にいきついてしまいます。

しかし私は時に確実に安堵します。

それは休日の朝、公的に与えられた休みの時間が目の前に広がっている時です。

私は改めて毛布に包まり、全てから逃げ出すように丸くなります。

こう書くと、じゃあ仕事をしなければ苦しむ事はないんじゃないか。そう思うかもしれません。

しかし働いていなかった時のこの時間は絶望でしかありませんでした。

社会の目や友だちからの評価が恐ろしくてしょうがなかったのです。

なぜなら私には、ある程度の自尊心が存在していました。

それなら、自尊心さえ捨ててしまって、誰からの評価も、愛情も憎悪も断ち切ってしまえば。

そうやっていると、ひょこりと顔を出す者がでてきます。もう一人の自分です。

彼、もしくは彼女は、あなた自身の好奇心であり、知性であり、時に可笑しく、時に凶暴で、時に優しい存在です。

私は彼に名前を付けました。